おしゃべり。
私は寒いのがとても苦手。
それもあり、冬という季節が好きではない。
冬の間はなるべく家にいたい、外に出たくない。
歩いて10秒で着くご近所のカフェさえ、足が遠のいている。
家で過ごすのがもともと得意なのに加え、今冬は私のこだわり満載のお気に入りの家に住み始めたのだから、犬の散歩以外はほぼ外に出ない。
日用の買い物や用事も犬の散歩ついでに済ませる。
近県に住む母と電話でその話をしていると、母が聞いた。
「それだったら、1日誰とも話さないじゃないの。」
子供や夫とLINE電話はするし、LINEの苦手な母とも電話で話す。
「それが、毎日人とは話してるのよ。」
私の最近のもっぱらの話し相手は、海にいる。
わんこというある意味、便利なツールのおかげ。
朝と夕方の散歩で、犬連れだと簡単に話に花が咲く。
犬連れ同士のこともあれば、人懐っこいうちのワンコがすり寄っていった通りすがりの方と話すこともある。
苗字も住んでる場所も知らない。
簡単に言葉を交わすこともあれば、しばらく話し込むこともある。
先日も他所から移住されてきた老紳士とあれこれ話が盛り上がり、とうとう陽が沈んでしまった。
海で出来た顔見知りは、偶然会えば声もかけるし、話している時間は楽しい。
もう私も若くないので、人付き合いに苦労はしたくない。
小さい子供がいるわけでもないし、当たり障りのないくらいの人間関係がちょうど良い。
頼りになる長い付き合いの友人もいるし、家族もいるのだから。
公園デビューから始まり、プリスクール、幼稚園、小学校、中学校、高校と長い年月の間には子供の環境も目まぐるしく変わり、その年ごとに習い事も加わった。
それなりにトラブルもあったし、「〇〇ちゃんママ」としての人間関係で苦労することもあった。
やっと育児がひと段落して、ママランチや学校ママとのお付き合いなどから一気に解放された。
仲良くなった何人かのママ友は、もう「ママ友」ではなく「私の友」になった。
仕事も今はしていないので、人間関係については気楽な毎日だ。
それでも、この町で暮らして行くにつれて、人付き合いも多少は増えて行くのだろう。
やりたいこともあるし、関わりたい活動もあるのだから。
ただ、もうややこしい人間関係はこりごり。
当たり障りなく、でも優しい関係がこの海街の人と築ければ良いなと思う。
ただ、今は冬。
私は冬眠中のクマのごとく、大好きな家でぬくぬくおこもり中。
映画を見たり、本を読んだり、物を作ったりとゆったり過ごしている。
お茶も時間をかけて丁寧に入れて、新しいレシピにもチャレンジする毎日。
これがとても心地よい。
春になって、草木が芽吹く頃には活動を開始したい。
まずはご近所のカフェの美味しいコーヒーを飲みに行こう、なんでもない世間話をしに。
テラスからは春の海とまだ雪が溶けない富士山がよく見えるはず。
花粉症もあるので、マスクはまだまだ必須で。
この続きは、また次回。
sea you soon.
水没。
ほとんどの人にとって、スマホは肌身離さず持つ物のひとつになった。
電話はもちろん、メールやLINE、PayPay、ネットショッピングなど、生活に必要不可欠な機能は数え上げたらキリがない。
中でも、私が重宝しているのはカメラ。
昔はデジカメを必ずバッグに忍ばせていて、なんでもない日常や思いがけず出会えた美しい景色などを写真に収めていた。
iPhoneを持つようになって、デジカメには引退してもらった。
画質は申し分ないし、人とシェアもしやすい。SNSを始めてからは、なおさら。
気軽に撮影できて、加工も簡単に出来るし、クラウド上に無限に保存もできる。
私にとっても、なくてはならない物。
ひとりで生活する時間が多くなって、気ままに時間を過ごしている。
やりたい時にやりたいことが出来る。
中でも、気兼ねなくのんびり入れるお風呂の時間は大好きな時間。
お気に入りの入浴剤を入れて、のんびり湯船に浸かる。
音楽を聞いたりお気に入りのYouTubeを見たりするので、iPhoneをバスルームに持ち込んでいる。
だってiPhoneは防水だもの。
と、思っていた。
その日はお気に入りのYouTubeの配信日。ゆっくりお湯に浸かりながら楽しんだ。
汗もほどよくかいてシャワーを浴びようと洗い場に踏み込んだ瞬間、ボチャっと音がした。
窓辺に置いたはずのiPhoneが底に沈んでいる。
慌てて取り出し、バスタオルで包み水分を吸わせておいた。
シャワーを済ませて、バスルームから出て画面をチェックすると、ついたり消えたりしている。明らかにおかしい。
iPhoneは防水じゃなかったっけ?
なんの操作もできないし、相変わらず画面は勝手についたり消えたりを繰り返している。
バックアップはちゃんとしてあった?どうしよう!
確認する術もなく、とりあえずiPadで情報を集める。
とにかく乾燥が大切なので水分を拭き取る、SIMカードは抜いておく。
乾燥後は乾燥剤を入れたジップロックに入れておく。
ふむふむ。
次の日は午前中から都内に行く予定があり、恵比寿の修理屋さんに予約を入れた。
次の日の朝、出汁パックに入っていた乾燥剤を入れたジップロックにiPhoneを入れて出かけた。
修理屋さん曰く、
「正直、水没の場合に直る可能性は50%です。もし、直らなくても修理代はお返しできないんです。どうしますか?」
修理代、およそ3万円。
iPhoneの月賦はまだ1年ほど残っているはずだけれど、これは買った方が安いのかも。
修理屋さんにお断りして、そのまま近くのソフトバンクのショップに飛び込んだ。
事情を話すと、修理には時間も費用もかかってしまうとのこと。
今は予約制なので、用事が終わる13時半に予約を入れた。
たまたま都合のつく時間に空いていて良かった。
予約時間に再びショップに向かい、ジップロックに入ったiPhoneをスタッフのお兄さんに渡した。
やはりしっかり浸水してしまっているので、買い替えが一番良いとのことで買い換えることにした。
お兄さんによれば、基本iPhoneは湯船に沈んだくらいでは大丈夫らしい。
ただ、私の iPhoneは経年劣化で防水加工が機能しなかった。
SIMカードを出し入れする場所のパッキンが弱くなっていたらしい。
出し入れした記憶はないけれど、毎日酷使しているのだから劣化は仕方ない。
ユーチューバーのヒカキンがiPhoneが本当に防水なのか実験した動画があったそうだけれど、その時も大丈夫だったらしい(お兄さん談)。
新しいiPhone 12を手に入れ、データもちゃんとバックアップしてあり、使用していたiPhone Xも下取りに出したので月賦の返済も0になった。
そういえば、私の住む海街にソフトバンクショップはない。
隣町まで行かなくてはならなかった。
たまたま都内に用事があって予約も空いていたので、すんなり買い換えることができた。
無いとたいそう不便な物だから、本当に良かった。
iPhone12は画質がとても綺麗なので、これから海の写真をたくさん撮りたい。
もちろん、水没に気をつけて。
この続きは、また次回。
sea you soon.
はたらくくるま。
今も続いている外構工事。
別の場所に住んでいたので、家が建ち上がるまでの過程を毎日見ることはできなかったけれど、外構工事の様子は毎日眺めることが出来る。
昔からものが作り上がる様子を見るのが大好きなので、とても楽しみにしていた。
外構工事は家を中心にぐるりと囲むように行われる。
南正面には3台分の駐車スペース、玄関前のアプローチ。
東側は北側庭へのアプローチと、わんこの足を洗ったり出来る水栓スペース。
西側は店舗入口回りと北側庭へのアプローチ、1階寝室窓際にウッドデッキ。
北側は庭部分になり、高麗芝を全面に貼る。ドッグランスペースになる。
我が家は地域の緑地保全地区内なので、敷地の20%以上は植栽をしなければならない。
ほぼ北側の芝生で賄い、各アプローチに植栽もする予定になっている。
外構工事はたくさんの作業があり、いろいろな技術を持ったスタッフがやってくる。
その日は待ちに待った、正面の駐車スペースの工事。
剥き出しの土の上に停めていたので、雨が降ると泥になった土の上を歩いて車に乗り込まなくてはならなかったから、本当に助かる。
車は「軒先パーキング」を利用して、工事期間の2週間ほど移動済み。
前日までに木枠が設置され、鉄筋が張り巡らされていた。
我が家の前の通りがあまり広くはないので、小さめのミキサー車がまず到着。
こういう工事車両を見ると、なんだか嬉しくなってワクワクしてしまう。
子供がまだ小さな頃に見ていた子供番組で流れていた、「はたらくくるま」を口ずさみながら、2階のリビングの窓から作業をずっと眺めていた。
長い樋がミキサー車に取り付けられ、ドロドロとコンクリートが枠の中に流される。
それをスタッフがどんどん均していくのだけれど、これがすごい。
トンボのような道具を使って手早くススーっと手を入れていくと、艶々のスケートリンクのような表面になる。コンクリートの面積が広いので、何台かミキサー車が代わる代わるやって来ては、この作業が繰り返される。
長い時間をかけて作業が一通り終わると、養生をしてスタッフのチームは帰っていった。
そっと近づくと、まだ乾かない表面に手や足を差し込みたい衝動に駆られてしまった。
もちろんそんなことはしなかったけれど。
1週間もすれば安心して車も止められるようだけれど、心配なので10日あけた。
もう全然大丈夫だったけれど、完全に硬化するのは1ヶ月くらいかかるらしい。
このミキサー車をはじめ、小さいショベルカーも前に登場した。
作業をする車もそれを器用に扱うスタッフの姿も、飽きずにずっと見てしまう。
スタッフの方は、あまり嬉しくないかもしれないけれど。
今日は西側でデッキを作製してもらっている。
木をカットする音がキーンと響き、また私をワクワクさせてくれる。
ただ、うまく2階の窓から見えないのが残念。
本当なら1階寝室の窓からかぶりつきで見ていたいのだけれど、さすがにそれは憚れるので我慢している。出来上がりを楽しみにしておこう。
まだもう少し続く外構工事。
次はどんな「はたらくくるま」が来るのか楽しみに待っている。
この続きは、また次回。
sea you soon.
映画。
今は映画を気軽にいつでもテレビで見られるようになった。
昨日の子供との電話。
今日は良い映画を見て元気が出たと子供が言った。
辛いことがあった訳ではないけれど、明るい気持ちになったそう。
ちょうど私も見たかった映画を見られたので、二人で映画の話をした。
映画が好きな子供に育ってくれて良かった。
映画は本と同じくらい好きになって欲しかった。
自分の人生の中では出会えない風景や人々、その暮らし、文化、音楽などを見て、聴いて、知ることができる。時間を簡単に遡ることも、創造の世界を楽しむこともできる。
楽しみながら知識を増やしたり、見識を深めることができる素敵な娯楽の一つだと思う。
私が昨日見た映画は1960年代のアメリカ・フロリダを舞台にした映画だった。
本の中で頭で想像しながら読み進めていくのも楽しくて好きだけれど、過ぎた時代や創造の世界を実際に今そこにあるように作って見せているのが映画の面白さ。
今はCGも駆使され、実在するものも無いものも同じようにリアルに表現される。
通りやお店、家の外観、人々の服装、車、かかっている音楽やテレビの画像まで忠実に再現している。
登場人物の話し方一つとっても、今とは全然違う。
本の世界の中では想像しきれないことやものがたくさん登場する。
ストーリーも今とはスタンダードが違うので、ショッキングな場面やおかしなシーンもある。
また、今も抱えている社会的な問題が60年経ってもまったく解決されていない事実にがっかりもさせられる。
隣町まで車を走らせないと映画館は近くにない。
映画館で見たいと思う映画ももちろんある。
迫力のある音響、大きな画面、フレーバーポップコーンにコカコーラ。
昔から私の大好きなお出かけの一つだった。
家族ともよく行ったし、平日に一人で出かけることもよくあった。
最近は映画館の椅子にじっと座っていると少し辛い。奮発してシネコンのプレミア席で見ても、腰と背中の辛さは変わらない。
映画館からは少しずつ、足が遠のいていた。
こうなると、やはりおうちシネマになってくる。
クッションを駆使し、ソファーの角度を調整し、時には一時停止してお茶を入れたり、ビールを開けたりと自由気ままに楽しんでいる。
最近はタイムラグが気にならないくらい、新作が早く見られるようになった。
昔のようにTSUTAYAに借りに行ったり、返却の手間も掛からなくなった。
AmazonプライムやNetflixで、ぽちっとするだけ。
若い頃は週末の夜には必ずTSUTAYAを訪れていた。
世田谷の三軒茶屋のTSUTAYAに映画にものすごく詳しいスタッフのお兄さんがいた。
こういう人が出てて、こんな感じの映画なんですけど?と聞くだけで、ずばりその映画を当てられる。洋画も邦画も、旧作も新作もなんでもござれだった。
スマホもなく、ネットの情報がまだまだ少ない時代。
たまたま彼がいない日に当たると、がっかりして帰ったものだった。
2〜3作借りて、日曜日の夜に返却。
うっかり返却を忘れて、膨らんだ延滞料金に苦しめられたこともあったっけ。
週末はとにかく映画と共にありというのが、その頃のスタンダードだった。
今は毎日が週末みたいなものなので、見たい映画は割とすぐに見る時間がある。
映画を見るたびに、まだまだ知らないことってたくさんあるんだなぁとぼんやり考える。
旅に出たり、人に会ったりがなかなか叶わない今こそ、たくさん映画を見よう。
そして、子供と映画の話をたくさんしよう。
この続きは、また次回。
sea you soon.
収集カレンダー。
「郷に入っては郷に従え」
他から引っ越してきた新参者が、まず守らなければならない街のルール。
それはゴミ出し。
今までずっとマンション暮らしだったので、いつでもゴミはゴミ置き場に置いておけば良かった。分別がよくわからないものも、置いておけばスタッフの方が出しておいてくれる。
今は一軒家なので、地域の収集カレンダーに沿ってゴミ出しをしなければならない。
大まかに言えば、地域にある資源ステーションと戸別の収集方法がある。
資源ステーションで集めるものは、缶、紙パック、古紙、新聞紙や段ボールなど。
各種類別のカゴにそれぞれ分別して入れる。
月に2回は、瓶やペットボトル廃食油の収集もある。
草木類や埋め立てごみ、乾電池もこちらに月に1回出すことができる。
戸別収集は週2回の燃やすゴミと、週1回の容器包装プラスチックゴミ。
そして月に1回、不要プラスチック製品を出せる。
家の前に収集日の朝8時半までに出しておく。
カラスやトンビに漁られないように、大きいゴミ箱に入れて出している。
毎日、たとえ一人だったとしてもゴミは出る。
すぐに捨てることができないので、生ゴミなどは水気を切り小袋にまとめて口を縛って、それを収集袋に入れておく。
プラごみは場所を取らないように、なるべく圧縮して小さくまとめる。
分別ゴミはそれぞれ袋分けをして、雑誌類や古紙、段ボールはこまめに紙テープなどでまとめておく。
毎日、毎日とても面倒な作業。
この生活に慣れてくると、ゴミに対する見方が変わってくる。
生ゴミはすぐに出せないのだから、なるべく出さないように工夫するようになった。
食べ残さないように適量を作る、野菜は皮付きのまま調理する。
掃除もお掃除シートではなく雑巾を使い、ティッシュもクッキングペーパーも使用量がだいぶ減った。
自分のためにやっていることが地域のためになり、地球のためになる。
そうなってくると、お肉やお魚を買う時も、トレイの色もチェックするようになる。
白色トレイは資源ステーションで収集してもらえるので、白色を選ぶようになった。
ペットボトルはリサイクルされるけれど、買わなくなった。
水筒に水を入れて持ち歩けば、一日なんてことはない。
使い捨てのもの、すぐに捨てるであろう物は買わないようにしている。
そもそも買い物する量が減った。
お店で買い物する以上ゴミの分別が必須だから、自分の手間を減らすために物を買わない。
ゴミ収集の日に、ゴミ袋が小さければ小さいほどニヤリとなる。
散歩で毎日いく海岸には、マイクロプラスチックと呼ばれるプラスチックの粒子が砂に紛れて散らばっている。
本来なら貝殻たちが波に叩かれ粒子になり白浜になるのに、人工的な鮮やかな色には不安さえ感じる。まったく海の景色に似つかわしくない。
全てのプラスチックを避けて暮らしていくのは、既に難しいと思う。
けれども、自分の出すゴミに責任を持つことは誰にでもできる。
ゴミを増やすも減らすも個人に委ねられているのだから。
海街のルールや風景は、日々たくさんのことを私に気づかせてくれる。
素直に「郷に従う」ことは、移住のポイントかもしれない。
ルールには常に理由があって、それはそこで暮らしていくのに大切なことだから。
この続きは、また次回。
sea you soon.
ラジオ。
昔からラジオをよく聴く。
手を動かしている時も、ドライブしている時も音楽だけを聴くよりもなんだか耳に心地よい。
今は、海街のコミュニティーラジオをつけることから朝が始まる。
ひとりでいる時間が長い生活を海街で始めてから、さらにラジオを聴く時間は増えている。
今はアプリを使えば、聴き逃した番組も、時間的に聴くのが難しい番組も好きな時に聴くことができる。
地方の町のコミュニティーラジオさえも聴けるのだから、すごい世の中になった。
音楽もそうだけれど、やっぱり昔からよく聴く声の方が耳馴染みが良い。
親しみがあると言うか、親戚くらいの身近さを勝手に感じてしまっている。
私はずっとピーター・バラカンさんの大ファン。
前にTBSで長く放送していた、深夜のCBSドキュメントもよく見ていた。
鋭い視点ながら、わかりやすい解説で本当に良い番組だった。
彼のあの優しいお声もそうだけれど、控えめな話し方も全方位博識なところも大好き。
何十年もいろんなお話を聞いているけれど、本当に勉強になるし面白い。
もちろん音楽の選曲も私好みだし、ずっとずっと聴いていたい。
もっと担当のラジオ番組が増えれば良いと思う。
interFMとTokyoFMはタイムフリーで聴けても、ライブでしか聴けない土曜日の朝のNHKをいつも聴き逃してしまうから、NHKもタイムフリーにして欲しい。
投書しようかしら?
私の住む海街で、なんと彼に会ったことがある。
その夜はいつも行く海の家で夕ご飯を食べようと、ワンコを連れて子供と海に出かけた。
席に着くとスタッフの方が、
「今日はチャージがかかりますが、よろしいですか?」
と聞く。
そこは週末などにライブがあったりするので、その時はいつもチャージが別途かかる。
「誰のライブですか?」と聞くと、
「ピーター・バラカンさんがDJをするんです。」
「なんですって!」
もう、そこからソワソワ始まるのを待った。
ラフなTシャツ姿で現れたバラカンさん。
選曲も相変わらず、私的に最高。
しばらく楽しい時間を過ごしていると、付き合わせた子供はご飯も食べ終えてしまって、飽きてきてしまったよう。ワンコも限界っぽい。
小休憩の時に海の家を出ようとすると、
「せっかくだから、写真撮ってもらえば?今、空いてそうだよ。」
と子供が言う。
音楽イベントなどでお見かけしても、なかなかそばには寄れない。
ろくにメイクもしていないけれど、意を決して子供にスマホを渡し、ずうずうしくステージにいるバラカンさんに声をかけた。
「いつも聴いています!お写真一緒によろしいですか??」
歯にかんだ笑顔で、「はい。」と応じてくれたバラカンさん。
ひとりでは心細いので、ワンコを抱いていたのだけれど、
「コッカー・スパニエルですね。」とおっしゃってワンコの頭を撫でてくれた。
うちのワンコはイングリッシュ・コッカー・スパニエル。
バラカンさんの故郷の犬種だった。この子を飼っていて良かった!
お礼を丁寧に言って、足早にその場を去った。なんだか照れ臭かった。
子供に撮ってもらった写真を見ると、まぁ嬉しそうな私。
今でも、私の大切な写真の一枚。
他にも日曜夕方の滝川クリステルさんのSAUDE!SAUDADEで、週末の終わりを毎週感じるし、不定期に放送される村上春樹さんの村上RADIOもいつも楽しみにしている。
ラジオは私の生活には、なくてはならないものの一つ。
ラジオはスマホとBOSEのスピーカーをBluetoothで繋いで聴いているけれど、いつかはちゃんとしたラジオで聞きたいなと思う。その方がラジオっぽい気がするから。
この続きは、また次回。
sea you soon.
おはよう。
ワンコの散歩は朝と夕方の1日2回。
海街にくる前は子供のお弁当作りやら何やらで、6時台には起きていた。
ありがたいことに今は堂々と朝寝坊できる毎日。
散歩は8時くらいに家を出る。
ちょうどこの時間は近隣の小学生たちの登校時間と重なる。
海街の子供たちは気持ちよく挨拶をしてくれる。
今朝も冬だというのに薄いウインドウブレーカーにハーフパンツスタイルという、小学4年生くらいの男の子が、寒そうに身を縮こませて小学校に早足で向かっていた。
「おはよう!いってらっしゃい!」
と声をかけると、
「おはようございます!いってきます!」
と大きな声で元気に答えてくれた。「あー寒い、寒い」とポケットに手を無造作に突っ込んで歩いていく姿を見送りながら、なんとも清々しい気持ちになった。
ここでは特別なことではないのだけれど、いつも気分が良くなる。
ワンコの飼い主同士の挨拶はもはや常識なこの街で、私もすれ違う人々に挨拶をする。
そこから、ちょっとした立ち話ができるのも散歩の楽しみの一つ。
東京で育ってきた子供は、知らない人に話しかけられても答えてはいけないと教えられてきた。
ある時、バス通学のお友達がバス停にいたご婦人に挨拶をされた。挨拶をきちんと返すと、そのご婦人は「どこの学校に通っているの?」と笑顔で聞いてきたそう。
お友達は、「ごめんなさい、先生に話してはいけないと言われてるので言えません。」と答えるとご婦人はとても残念そうな顔をして黙ってしまったと。
まだ低学年の子供からこの話を聞いた先生も、困ってしまっただろう。
悪い人そうだったら答えてはいけないし、良い人そうだったら答えていい、とも言えない。
実際に不審者情報はしょっちゅう防災メールで届いていたし、用心に越したことはない。けれども、この話を先生から伺った時はなんだか寂しかった。
この海街にももちろん防災メールはあって、私も登録している。
引っ越してきてから配信された案件は2件。どちらもお年寄りが行方不明になったとのことで、服装や体格の情報だった。お二方とも次の日には無事に見つかっている。
小さな街なこともあって、子供たちは顔見知りではない大人も信用して、安心して暮らしているのだろう。とても羨ましい子育て環境だと思う。
こんなに綺麗な海があって、山に囲まれていて、コミュニティーもしっかりしていたら、間違った行動を起こす人間なんて育たないんじゃないかしら?と希望的観測ながら、思ってしまう。
私もSUPで海に出て沖でぽっかり浮かんでいると、「私なんてちっぽけだな。」といつも思う。うっかり読み間違えて大波に巻き込まれそうになれば、生きてることの大切さを身をもって知ることもできる。必死になった後の爽快な気分は、いつも私をリセットさせてくれる。
うちには小さな子供はもういないけれど、このコミュニティーの子供たちを見守りつつ、挨拶を交わして行こうと思う。偉大な海と美しい山に囲まれて。
この続きは、また次回。
sea you soon.