On the road〜海の街で

海街に家を建てて移り住むまでのよもやまばなし。から始まった、海街暮らしと日々のあれこれ

人生勉強。

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大好きなカフェのあった場所。

不動産屋さんのKさんはよく日に焼けたマッチョ君で、とにかくフットワークが軽い。まだ閉店前のカフェに通って、様子を伺ってくれた。ついにお店は閉店して建物の取り壊しが始まった。大好きな青楓も切り倒されてしまったのは悲しかったが、その頃。Kさんから連絡。

「あの土地売りに出されました!どうしますか?申し込みされますか?」

来た〜〜〜〜!!!!!

そうだ、購読しているファッション誌の占いにも不動産には縁があると書いてあった。欲しい家は必ず手に入ると。信じて待って良かった。万歳!

ただし、予算はだいぶ超えてしまう。さらに土地なわけで、家を建てなければならない。数千万単位のオーバー。夫にすぐに伝えた。

「あなたが気に入っているなら、申し込みしましょう。僕もあの土地なら、良いと思う。」

我が家の経済状況を良いか悪いかぐらいでしか把握していない私でも、さすがに無理させるか

なぁと心配したが大きな出費を快諾してくれた。

「良かったね、好きな場所が手に入って。」とまで言ってくれる。良いパートナーだ(涙)。

 

Kさんに連絡すると、「土地は早い者勝ちなので、急ぎます!」とあれこれの手続きをハイスピードで行ってくれた。さすがにキャッシュで一括払いというわけにはいかないので、住宅金融公庫の住宅ローンを利用しての購入にした。ローンの申請が通らないと、土地は手に入らない。その間にも他の誰かに出し抜かれてしまわないか、ドキドキだった。

無事にローンの審査が通り、手筈が整った。

大好きな土地を手に入れることができる!

夫が真面目に生きてきてくれて、本当に感謝だ!これからは彼にもっと優しくしようと、心に固く誓った。

 

申し込みから土地の売買契約まで、まぁ大変。夫にとっては仕事上慣れたものだったが、初体験の私にはまさにちんぷんかんぷん。たくさんの書類を用意しなくてはならないし、山ほど判子をつかないとならない。何より現金がするすると出て行く。家を買うには土地や家自体の費用以外にも、割とまとまったキャッシュが必要になる。手付金、印紙税、仲介手数料などだ。普段大きな数字を見ずに暮らしているので、恐ろしかった〜。

 

契約関係は全て夫とKさんとの間で着々と進んでいた。夫の配慮で土地の契約の場にはさすがにいた方がよかろうと、売主側の仲介に入っている不動産屋さんのオフィスで私も席についた。

こちら側はKさんと夫と私、相手側は売主さんとその息子さん、間に入っているのが売主側の不動産屋さん。それぞれに同じ契約書類が目の前に置かれ、重要事項説明に入った。とにかく分厚い書類を読み上げ、お互いに確認して前に進む。私も夫に勧められ宅建の勉強をしたことがあったけれど(2回試験に落ちて挫折)、まさにテキスト通りだった。

初めは物珍しいのもあり字を追っていたが、長い。長すぎる。相手方の心象を悪くしないよう、猫をかぶっていたのもあり疲労がつのってくる。夫はそんな私を察したのか、ちょくちょく目配せをしてくる。きっと私が睡魔に襲われるのを恐れたに違いない。

説明が終わると何やら土地の権利の話し合いが行われ、お互いの書類のあちらこちらに判子の捺印大会が催された。夜もどっぷりと更けてきて、新宿にあるそのオフィスから見えるネオンの夜景が綺麗だった。すべてが終わり、オフィスを出た頃には体がバキバキに固まっていた。うっかり宅建に受からなくて良かった。とっても不得意なのが、よくわかった。ただ、法律通りに社会が動いていることを目の当たりにできたのは良かった。いくつになっても勉強は大切だな、と思った。

 

でも、本当に大変なのはここから。

この続きはまた次回。

sea you soon