収集カレンダー。
「郷に入っては郷に従え」
他から引っ越してきた新参者が、まず守らなければならない街のルール。
それはゴミ出し。
今までずっとマンション暮らしだったので、いつでもゴミはゴミ置き場に置いておけば良かった。分別がよくわからないものも、置いておけばスタッフの方が出しておいてくれる。
今は一軒家なので、地域の収集カレンダーに沿ってゴミ出しをしなければならない。
大まかに言えば、地域にある資源ステーションと戸別の収集方法がある。
資源ステーションで集めるものは、缶、紙パック、古紙、新聞紙や段ボールなど。
各種類別のカゴにそれぞれ分別して入れる。
月に2回は、瓶やペットボトル廃食油の収集もある。
草木類や埋め立てごみ、乾電池もこちらに月に1回出すことができる。
戸別収集は週2回の燃やすゴミと、週1回の容器包装プラスチックゴミ。
そして月に1回、不要プラスチック製品を出せる。
家の前に収集日の朝8時半までに出しておく。
カラスやトンビに漁られないように、大きいゴミ箱に入れて出している。
毎日、たとえ一人だったとしてもゴミは出る。
すぐに捨てることができないので、生ゴミなどは水気を切り小袋にまとめて口を縛って、それを収集袋に入れておく。
プラごみは場所を取らないように、なるべく圧縮して小さくまとめる。
分別ゴミはそれぞれ袋分けをして、雑誌類や古紙、段ボールはこまめに紙テープなどでまとめておく。
毎日、毎日とても面倒な作業。
この生活に慣れてくると、ゴミに対する見方が変わってくる。
生ゴミはすぐに出せないのだから、なるべく出さないように工夫するようになった。
食べ残さないように適量を作る、野菜は皮付きのまま調理する。
掃除もお掃除シートではなく雑巾を使い、ティッシュもクッキングペーパーも使用量がだいぶ減った。
自分のためにやっていることが地域のためになり、地球のためになる。
そうなってくると、お肉やお魚を買う時も、トレイの色もチェックするようになる。
白色トレイは資源ステーションで収集してもらえるので、白色を選ぶようになった。
ペットボトルはリサイクルされるけれど、買わなくなった。
水筒に水を入れて持ち歩けば、一日なんてことはない。
使い捨てのもの、すぐに捨てるであろう物は買わないようにしている。
そもそも買い物する量が減った。
お店で買い物する以上ゴミの分別が必須だから、自分の手間を減らすために物を買わない。
ゴミ収集の日に、ゴミ袋が小さければ小さいほどニヤリとなる。
散歩で毎日いく海岸には、マイクロプラスチックと呼ばれるプラスチックの粒子が砂に紛れて散らばっている。
本来なら貝殻たちが波に叩かれ粒子になり白浜になるのに、人工的な鮮やかな色には不安さえ感じる。まったく海の景色に似つかわしくない。
全てのプラスチックを避けて暮らしていくのは、既に難しいと思う。
けれども、自分の出すゴミに責任を持つことは誰にでもできる。
ゴミを増やすも減らすも個人に委ねられているのだから。
海街のルールや風景は、日々たくさんのことを私に気づかせてくれる。
素直に「郷に従う」ことは、移住のポイントかもしれない。
ルールには常に理由があって、それはそこで暮らしていくのに大切なことだから。
この続きは、また次回。
sea you soon.