On the road〜海の街で

海街に家を建てて移り住むまでのよもやまばなし。から始まった、海街暮らしと日々のあれこれ

夢ノート。

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土地が見つかったら、今度はその上に建つ家のこと。

海街ということもあり、潮の問題や山からの湿気など地域特有の問題に対処できる、地元のハウスメーカーにお願いしたいと始めから考えていた。そして、お願いしたいハウスメーカーさんも決めていた。

 

数年前まだこのお気に入りの海街を見つけてすぐの頃、通りがかりの不動産屋さんを訪れたことがあった。夫が担当の方と話している間に、そばに置いてあった建築実例集をパラパラとめくっていたら、素敵な家を見つけた。吹き抜けの気持ちの良い明るいリビング、真っ白な漆喰、曲線の壁に沿ってロートアイアンの手すりがついた階段が二階に続いている。海外生活を長く過ごした施主が、滞在した国のエッセンスを随所に散りばめたオンリーワンの注文住宅。

「そこの家、施主の方が亡くなって売りに出ているんですよ。」

まだ移住までは現実的に考えていなかったので、週末を過ごすための家としては少し贅沢な物件だった。あまりに素敵だったのでハウスメーカーの名前を覚えておいた。

その後何年かして他の不動産屋さんから、高台にある海までの見晴らしがとても良い中古物件を紹介してもらった。擁壁がかなりの高さがあり、少し不安に思った。そこで、そのハウスメーカーが頭によぎり、すぐに相談に乗ってもらった。結局、その擁壁の不安が拭えずその物件はお断りしたのだが、ハウスメーカーの社長さんが丁寧に話を聞いてくれてとても好印象だった。

 

こんな経緯があり、土地が見つかり次第、迷いなくそのハウスメーカーに連絡した。その会社の企業理念や、地元での社会貢献に対しての取り組みも素晴らしかったのも理由の一つ。その会社の利益が世の中のお役に立っているのなら、私達も気持ち良く家という大きな買い物ができる。なによりも、地元なら家についてのいろいろな相談も将来的にしやすいと思った。

 

まだ土地の本契約の前だったので、不動産会社のKさんを連れてそのハウスメーカーに向かった。担当の建築士のHさんは落ち着いた静かな方で、ゆっくり話を聞いてくださった。まずは土地の場所、形、周りの環境や条件などをこちらからお話しして、家を建てる時の段取りを説明頂いた。どんな素材、建て方をしているか、何を大切にしてるかもじっくり伺った。

この時、口で説明することがとても苦手な私が持参したのが、1冊のスケッチブック。

これにはまず箇条書きで、こんな家が良いというのを家族にヒアリングして書いてあった。寒くないこと、リビングは南向き、明るい玄関、1階の間取り〜希望、2階の間取り〜希望、キッチンお風呂はつなげて家事動線良くなど21項目ある。

それから、今までため込んでいたネットやインテリア雑誌などで見つけた好みの写真を、プリントアウトしてキッチンや収納など場所別にまとめ貼り付けてある。こんな風な洗面台が素敵だわ、と私が妄想して書いたイラストなども描き入れられている。

これが我が家の『夢ノート』。

恥ずかしながら、これをHさんにお見せしてこんな家が良いんですとお話しした。Hさんは手に取り、「是非、これを形にしましょう。」と言ってくださり、このノートをすべてコピーした。

 

しばらくするとHさんから初めの提案があった。

この続きはまた次回。

sea you soon