On the road〜海の街で

海街に家を建てて移り住むまでのよもやまばなし。から始まった、海街暮らしと日々のあれこれ

アンモナイト。

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予算を踏まえた上である程度のプランを思い描いて、その要望を候補のいくつかのハウスメーカーさんに見積もりを依頼する。出てきた見積もりを基に各社から工事費やプランの説明を受けて、その中から選ぶ。

これが家を建てる時の一般的な段取りの初めの一歩だと思う。

私達はハウスメーカーを決めていたので、この時間と手間を省くことができた。ここからスタートするウルトラハードな日々を思えば、エネルギーをここで少しでも節約できていたのはラッキーだった。

 

家を建てるときに思い出したのは、東京の家のご近所で、素敵な邸宅を建てたAさんの奥様のお話し。新築のお祝いとそのお宅のご子息の誕生日が重なり、ご近所が集まってパーティーが催された。ELLE DECOからそのまま抜け出してきたような、シックで広々とした素晴らしい邸宅。海外生活も経験された奥様がいずれお料理教室を開くとのことで、ダブルオーブンが設られ、使いやすいスタイリッシュなキッチンに主婦たちから感嘆の声が上がった。

玄関からリビング、ダイニング、キッチンと色や雰囲気につながりがあって、とてもまとまりが良い。聞けば、奥様が自分でリクエストを出したと言う。建物やインテリアがもともと大好きだった私は、ワインを片手に奥様にじっくりこの話を伺った。

家を建てるのは本当に体をおかしくするくらい大変な作業だったそう。デザイナーさんにすべて委ねてお願いすることもできたけれど、悔いが残らないように自分で家作りをしたかった。こんな大変なこと、一生に一度で済ませたいでしょう?悔いが残ったら、また家を建てたくなるかもしれないじゃないと笑った。彼女は本当に一つ一つすべてのものを自分で選び、イメージを形にし、二度と建てなくて済む満足のいく家を建てることができた。

何が一番大切か、家づくりの極意を伺った。

ぶれないこと。

家づくりを始めるといろいろな物をみたり、情報がどんどん入ってくる。あれもカッコ良い、これも素敵となってくる。そこで、大切なのはぶれない芯。これは良いものだけど家には要らないとか、合わないとかをすぐに判断できて、惑わされないことが必要だったと言う。どうやって?と聞いたら、彼女は玄関ホールのそのために作られたニッチスペースに飾られていた、アンモナイトの化石の置物を指差した。これを家づくりの軸にしたそう。色合い、雰囲気、質感などこのお気に入りのアンモナイトに合うかどうかを判断基準にしたそう。

この時はまだ自分たちで家を建てるなんて考えていなかったけれど、いつか家を建てる時に参考にしようとずっと思っていた。

今、家づくりをしている私にとって彼女のアンモナイト的なものはないけれど、『夢ノート』は大好きなものと希望しか詰まっていないので、これから外れないようにいつも見返している。ぶれないことは、家づくりに一番大切なことだと本当に身にしみている。世の中には素敵なものが溢れているのだから。

 

ここから始まる、ぶれない家づくり。

この続きはまた次回。

sea you soon