On the road〜海の街で

海街に家を建てて移り住むまでのよもやまばなし。から始まった、海街暮らしと日々のあれこれ

多拠点生活。

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我が家は3人家族だけれど、普段はそれぞれ別の場所で暮らしている。

私は主に海街暮らしで、時折東京の子供のマンションに行く。

子供は主に東京暮らしで、時折海街にやってくる。

夫は関西で仕事をし、時折海街に帰ってきて、たまに東京にステイする。

これが今の生活スタイル。

 

寂しいでしょう?とか、気ままで良いね〜とか、周りの感想はいろいろ。

この生活が始まったとき、子供は不満そうではあった。

親の都合で不便な一人暮らしを強いられている、と少しは思っていただろう。

今まで、生活のすべてを私に委ねていたのだから。

学校の課題の手伝いや習い事の段取り、出先への車での送り迎えなど、365日24時間困ったらすぐに手を差し伸べてくれていたクラシアン的な母親がそばにいない。

不便極まりないし、ひとり暮らしの寂しさも不安もあるはず。

気持ちはよくわかる。

私も夫も寂しい時がないわけではないけれど、この生活は子供の成長にも良い機会だと捉えている。

 

前に暮らしていた東京の家の周りには、子供を小さい頃から留学させたり、全寮制の学校に通わせていたりする家庭が少なくなかった。

子供の同級生も高校に上がると、多くの友人が海外に飛び立っていった。

私達も子供に海外留学をずっと勧めていたが、興味を持ってはくれなかった。

私も夫も大人になってから海外生活を経験していて、二人共通の意見は、

「もっと早くに出ればよかった」。

語学や環境、異文化への順応も、若ければ若いほど早いだろうし、学べる時間を多く持てるのは本当に幸せな事だと考えていたから。

自分で考え、責任を持って行動する力を養うには、親元を離れるのも良いだろうとも思った。

若ければ失敗しても立ち直ることも容易だし、差し伸べられる手も多いだろうから。

英会話を習ったり、英語の資格を早い時期に取得したり、欧米の文化に興味がないわけではなさそうだったが、留学にはまだ心が動かない。時期を待つしかない。

 

今回一人で暮らさせるには、きちんと失敗もして欲しいという思いがある。そして、親の腕の中にいては見えない社会というものを、自分の目で見せたかった。

結婚するまで電気代やガス代を払うのを知らなかったとか、お米の値段を知らなかったとか、得意げに話す人々がいる。親のコネで会社に入り、いただいたお給料は全部お小遣いだったと。裕福なのと無知なのとは違う。私は子供にそうなって欲しくなかった。

社会の仕組みを知り、ものの値段を知り、国の経済に、政治に興味を持って生きて欲しい。

知識があり、自分の考えがあり、希望がある。そんな人間を育てたかった。

一人暮らしは知らないことを知り、失敗から学べる絶好の機会だと考えてる。大きな責任は私達親がまだまだ持ってあげられるのだから。

この前、子供と電話していたら、

「近くのスーパーで29日は肉の日で特売日だから、ちょっと行ってくる。」と言う。

そうそう、お金の大切さもしっかり学んで欲しい。

 

日本ではお金についての学習時間がまだまだ足りないと思う。

私達の親世代は、お金の話は下品とさえ思っている節がまだある。

生活の中のお金について、親にも学校でも教えてもらった記憶がない。

資本主義社会でお金の話を避けるのはどうなんだろうか。

どれだけのお給料で、どれだけの生活ができるのか、理想の家計はどんなものか。

税金や銀行の仕組み、貯蓄や投資の方法、資産の作り方は誰もが必要な知識のはずなのに。

 

最近は子供も一人暮らしに慣れてきて、家のことも料理も買い物もだいぶこなれてきている。

 LINEで顔を見ながら会話もできるし、偶然にも新型コロナ感染拡大が重なり、社会全体でリモートというものが身近になっている。

会えない日々が愛を育てると、誰かが歌っていたけれど、それもあるかもしれない。

お互いに些細なことで憎まれ口を叩けなくなった今は、子供との関係も良好。

これは、夫婦にも言えるかも。

会える時間を大切に、愛を育てましょう。

 

この続きはまた次回。

sea you soon.