On the road〜海の街で

海街に家を建てて移り住むまでのよもやまばなし。から始まった、海街暮らしと日々のあれこれ

思い出のランドセル。

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昭和の時代に小学生だった私は、赤いランドセルを背負って小学校に通った。

姉も従姉妹も友達もみんな女の子は赤い色、男の子は黒だった。たまにおしゃれな家の子供が茶色だったりして、さすが〜という感じだった。素材は牛革の子もクラリーノの子もいた。

 

子供が小学校に上がる前にランドセルをデパートに見に行くと、たくさんのカラー、バリエーションがあり機能も進化していた。とにかく軽いし、物がたくさん入る。それぞれ個性があり、デザインが凝ったものもたくさんあった。

子供に好きなものを選ばせて、小学校入学を親子で楽しみにしていた。

 

我が家の子供は小学校の途中で転校し指定のランドセルを再購入したため、家にランドセルが2個ある。卒業以来ずっと子供部屋のクローゼットの、手が届かない上段に置きっぱなしだった。引っ越しのための片付けをしていて、さてどうするかと子供と考えた。

このまま取っておくのは、現実的ではない。前でテレビで見た、ランドセルを縮小して作り替えてくれる業者に出して飾っておくか。でも、それはずっと飾っておくの?

などなど、考えて決めたのは寄附。

アフガニスタンの小学生の子供たちに、寄附で集まったランドセルを送る活動をしている「ジョイセフ」という団体をネットで見つけた。1個1800円の募金をこの団体にして、箱詰めして送るだけ。我が家は2個なので3600円を募金して、ヤマトさんに団体の倉庫まで配達してもらった。

アフガニスタンには既に23万個も寄贈されているそうで、現地の子供達にとても喜ばれているそう。日本で集められたランドセルはボランティアの方々の点検を経て船に積まれ、横浜港から、パキスタンの港にに向かい通関手続きが取られる。そして次は陸路で、時には封鎖もされてしまう治安の悪い国境付近を越えて、アフガニスタンに運ばれるそう。

我が家のランドセルたちも遥かな旅を乗り越えて、無事アフガニスタンの子供の手に渡りますように。

 

すっきりした子供部屋のクローゼット。子供は1LDKのマンションに移るのだけれど、手放せなかった絵本や児童書、小説そして漫画だけで段ボール4箱はある。ちゃんと収まるのかしら?初めての一人暮らし、収納術も含めた快適な生活の仕方をしっかり学んで欲しい。

 

最近、会う人に引っ越しの話をすると「お子さんと離れて、寂しくなるわね。」と必ず言われる。小さな子供と離れるのは寂しいかもしれないけれど、もう18歳で大人みたいなもの。

仲が良い方だとは思うけれど、四六時中一緒にいたいかというと、多分お互いそうでもない。ご飯を作れば美味しいと喜んでくれるし、家の手伝いもよくやってくれるし、可愛いところもまだまだあるけれど、離れて暮らすのはさほど寂しくない。

「あー子育てよく頑張ってきたな!これからうんと楽して、やりたいことやろうっと!」と、実は楽しみにしている方が大きい。

 

子育てには正解なんかないし、どれだけやったかというのも親の自己満足なのだと思う。私は育児本も読まなかったし、人に多少批判されても気にならなかった。ありがたいことに、子供が私達の子で良かったと言ってくれている。私も私の両親の娘で良かったと思っている。

それ以外に親子の間に必要なことなんて、多分ないと思う。

喧嘩もたくさんしたし、辛いことも悲しいことも少なからずあった。でも子育てはとっても楽しかった。子供のおかげで、親にならないと見えない景色をたくさん見ることができた。

元気に育ってくれて、本当にありがたいと思う。

これからは「親」の字の通りに、木に立って遠くから見ていようと思う。

 

この続きは、また次回。

sea you soon