On the road〜海の街で

海街に家を建てて移り住むまでのよもやまばなし。から始まった、海街暮らしと日々のあれこれ

はじまり、はじまり。

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いつかの夏。ビーチでの家族写真。

まだ若いモジャモジャ頭の父と、薄く色のついた大きなサングラスをかけた母が黄色のストライプのパラソルの下で私をあやしている。私は海水を汲んだバケツに素っ裸でちょこんと浸かっている。幼い私は怖くて海に入れなかった。なぜ怖かったのかは覚えていないけれど。

 

私が生まれた「およげ!たいやきくん」が大ヒットした年に、祖父が千葉県房総半島のとある海街にマンションを買った。

夏も冬も春も海辺でびしょ濡れになって遊んでいるうちに、いつの間にか海とはすっかり仲良しになった。

 

小学校に上がると夏休みを丸々千葉で過ごすことが多くなった。東京の学校のお友達の暑中見舞いも長い住所の海街に届いた。

朝はご飯を食べたら、高校野球の試合を見始める祖父を横目に姉と浮き輪を持って海に向かう。お腹が空く頃には母が潮で錆び付いた自転車に乗って、冷たい麦茶とおにぎりを持って現れる。

数日しか遊べない観光客の「夏のお友達」と波に飲まれて大笑いしたり、意地悪な姉に砂に埋められたり、はたまた協力して大きな山と池を砂で作ったりして夏が過ぎて行く。日焼けで真っ黒になって、ちょっぴり残した夏休みの宿題を抱えて東京に帰る。何年もそんな夏休みが続いた。

 

祖父が亡くなり、忙しくなった子供たちも寄り付かなくなった海街のマンションは、私が成人する頃に人手に渡った。私の子供時代の海の思い出は今も色褪せず、温度や音や匂いさえも鮮明だ。今も海は大好きな、大切な場所。

 

そして、令和2年。大好きな海街に移住します!

千葉のあの海街ではないけれど、とても綺麗な海がひろがる小さな街に。まだまだ家も完成しておらず、全てが準備中。移り住む日までの...いや、移り住んでからも、かな?あれやこれやの道中を備忘録としても書いていこうと思っています。

ここまででだいぶ頭を思い出と共にぐるぐるさせてしまったので、今日はこれでお暇いたします。

sea you soon