On the road〜海の街で

海街に家を建てて移り住むまでのよもやまばなし。から始まった、海街暮らしと日々のあれこれ

ときめき。

f:id:mahinakea:20201008114606j:plain

先日、実家の母から連絡があった。

「あなたの荷物、私が処分するのは忍びないから、片付けにきてくれない?」

近県に住んでいるので、車ですぐに向かった。

 

両親はいわゆる新興住宅地の建売住宅を30年前に購入した。

引っ越した時に中学生だった私はそこから10年、思春期をほぼその家で過ごした。

20代のうちに結婚し必要なものは持っていったので、実家に残したものは思い出の品ばかり。

両親は70代で、最近はよく家のものを片付けている。終活には少し早いが、ものをたくさん抱えるのは疲れる年頃でもある。実家は帰るたびにスッキリしていく。

 

実家に着くと、私の荷物は今は納戸兼ランドリールームになっている、元私の部屋の一角にまとめられていた。小、中、高の卒業アルバムや写真の束、友達からの手紙の束。学校で使っていた道具類や作品などが山になっていた。

懐かしくて、一つ一つ手に取り思いを巡らせていた。

小学校の文集には父について感謝している私の作文が載っていた。その当時、きっと父が私を喜ばせてくれたことが何かあったのだろう。あまりのよいしょ振りに母も笑っていた。

携帯など無い時代に高校生だった私にとっては、使い捨てカメラは必需品。友達と撮ったどうでも良い写真がたくさん出てきた。写真はまだ現像の時代、どれだけお小遣いを費やしたのかしら。

思い出に浸っていたらいつまでも片付かないので、近藤麻理恵さんのときめき片付けを実行。

授業中に回した友達との手紙の数々、バースデーカード、年賀状などの類は目を通してから、大部分を処分。作品もこれは頑張ったと思うものを2、3ピックアップ。どさどさと不用品をゴミ袋に放り込む。写真はときめいた良い写真だけをアルバムに入れた。

当時大好きだったデザイナーやアーティストの限定本や雑誌は確保。

すっきり整理されたときめき思い出グッズは、車のトランクに載せて自宅に持ち帰った。

夫と子供と3人で、それらを見ていった。懐かしい話を二人に聞かせることができた。

私も両親の若い頃の話が大好きだったので、子供も面白そうに聞いていた。

 

もうすぐ新しい家が完成し、引っ越しが待っている。多分、たくさんのものを処分するだろう。

お気に入りのものに囲まれて暮らすには、もったいないからとか、いつか使うかもというものは必要ない。妥協して使っていたものは潔く処分して、良いものを揃えたい。

今のマンションに引っ越した時は、3人家族だというのにトラックを何台も用意してもらわなければならなかった。

「お母さんに必要なものはもう十分あるからって言ってね。もう何も買うことないよって。」

引っ越し屋さんの年輩の女性スタッフに、子供が耳打ちされていた。

夏の日数と数が合わない夏服達、高かったからと着もしないコートが何着もハンガーにかかっている。滅多にはかないハイヒール達、お気に入りだからとしまってある欠けている瀬戸物や焼き物、なぜかたくさんあるお弁当箱やタッパー。挙げたらキリがない。

 

今度こそ!ときめき片付けでやってみせる。

必要なものは十分にあるのだから。

 

この続きは、また次回。

sea you soon