On the road〜海の街で

海街に家を建てて移り住むまでのよもやまばなし。から始まった、海街暮らしと日々のあれこれ

アンティーク。

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昔から古いものが大好き。

10代の頃が古着ブームだったので、代官山、中目黒、原宿の古着屋さんやアンティークショップを友人と休日ごとに巡ったり、下北沢や高円寺にもよく通った。ジーパンは洗わないと言っては母を困らせたり、時には1970年代におしゃれ全盛期だった両親に懐かしがられたり。

その頃は高いものは自分で買えなかったけれど、いつかアンティークの家具は欲しいなぁとずっと思っていた。中目黒にあった「温故知新」や北沢の「山本商店」を見て回るのが好きだった。

 

結婚した頃は空前の北欧ブームで、私達が揃えたのもアルネ・ヤコブセンのダイニングセットなどの北欧家具だった。小さい子供がいるうちは明るい色めの物が多かったし、当時のマンションの白い雰囲気ともよく合っていた。ボーネルンドで揃えていた木製の子供用家具やおもちゃともマッチしていた。

 

次に引っ越ししたマンションは少しダークな色めの木の建具だった。子供も育ってきて自分の部屋を持ったので、明るい色めの北欧家具は処分して、革のダークブラウンのソファーセットをまず購入した。これに合わせて家具を揃えていった。

当時、家の近くの坂の途中に「HIKKADUWA」というアジアン家具のインテリアショップがあった。なかなか雰囲気のある大好きなお店だったが、残念ながら数年前にクローズしてしまった。今は跡地にそれはそれは素敵な白亜の邸宅が建っている。

ある日、そのお店で見つけたアンティークの木製キャビネット。1960年代にバリ島で作られた家具で、現地のオランダ人がオーダーしたとのこと。アジアとヨーロッパのテイストがうまく融合された感じで、フォルムが独特でひと目で気に入った。木枠の観音開きのガラス扉を中央に横に引き出しが2つ反対側に飾り棚、下は大きめの観音開きの木扉と片開きの木扉がついていて、収納力も抜群。ガラス扉の向こうには、バカラや写真立てを並べた。

私の一番のお気に入りの家具。

他にもアンティークの家具はいくつか揃えたけれど、この子が一番気に入っている。

 

が、先日の引っ越し屋さんの見積もりの際に指摘されてしまった。

「このアンティークの家具は、2階に上げるのは難しいですね。」

え!無理なの??

大きさは幅160cmの奥行き55cm、高さだって110cmとさして大きくはない。ベッドルームに置いてある、ほぼ同じ大きさのベッドと揃いのチェストは問題ないのにどうして?

元々、住宅メーカーの営業だった引っ越し屋さんの担当Iさんが教えてくれた。

まず、年代物のアンティーク家具は重量があること。それと左右非対称のデザインのせいで、持ち上げる力がどちらかの方向に偏り、破損につながる恐れがあるということだった。破損も悲しいが、リビングに置けないのもかなり悲しい。それに合わせてインテリアを考えていたから。

Iさんが現場のスタッフに、無理をしない範囲でチャレンジをしてくれるよう取り計らってくれてはいるのだけれど、持ち上がらなかった場合は1階に置き去りにされてしまう。1階に置く場所は見当たらないのにどうしよう。本当に悲しい。

これが2階リビングの宿命というか、デメリットというか。

 

実家の家は日当たりが良いのに、1階がリビングだったため午後には暗くなっていた。普段誰もいない2階が、1日中明るくて暖くて気持ち良かった。逆なら良いのにとずっと思っていて、自分で家を建てる時は2階リビングにしようと心に決めていた。

そう、メリットの影にはデメリットが潜んでいるもの。

せめて、ピアノを置く子供の部屋は1階にしておいて良かった。

 

この続きは、また次回。

sea you soon.