おはよう。
ワンコの散歩は朝と夕方の1日2回。
海街にくる前は子供のお弁当作りやら何やらで、6時台には起きていた。
ありがたいことに今は堂々と朝寝坊できる毎日。
散歩は8時くらいに家を出る。
ちょうどこの時間は近隣の小学生たちの登校時間と重なる。
海街の子供たちは気持ちよく挨拶をしてくれる。
今朝も冬だというのに薄いウインドウブレーカーにハーフパンツスタイルという、小学4年生くらいの男の子が、寒そうに身を縮こませて小学校に早足で向かっていた。
「おはよう!いってらっしゃい!」
と声をかけると、
「おはようございます!いってきます!」
と大きな声で元気に答えてくれた。「あー寒い、寒い」とポケットに手を無造作に突っ込んで歩いていく姿を見送りながら、なんとも清々しい気持ちになった。
ここでは特別なことではないのだけれど、いつも気分が良くなる。
ワンコの飼い主同士の挨拶はもはや常識なこの街で、私もすれ違う人々に挨拶をする。
そこから、ちょっとした立ち話ができるのも散歩の楽しみの一つ。
東京で育ってきた子供は、知らない人に話しかけられても答えてはいけないと教えられてきた。
ある時、バス通学のお友達がバス停にいたご婦人に挨拶をされた。挨拶をきちんと返すと、そのご婦人は「どこの学校に通っているの?」と笑顔で聞いてきたそう。
お友達は、「ごめんなさい、先生に話してはいけないと言われてるので言えません。」と答えるとご婦人はとても残念そうな顔をして黙ってしまったと。
まだ低学年の子供からこの話を聞いた先生も、困ってしまっただろう。
悪い人そうだったら答えてはいけないし、良い人そうだったら答えていい、とも言えない。
実際に不審者情報はしょっちゅう防災メールで届いていたし、用心に越したことはない。けれども、この話を先生から伺った時はなんだか寂しかった。
この海街にももちろん防災メールはあって、私も登録している。
引っ越してきてから配信された案件は2件。どちらもお年寄りが行方不明になったとのことで、服装や体格の情報だった。お二方とも次の日には無事に見つかっている。
小さな街なこともあって、子供たちは顔見知りではない大人も信用して、安心して暮らしているのだろう。とても羨ましい子育て環境だと思う。
こんなに綺麗な海があって、山に囲まれていて、コミュニティーもしっかりしていたら、間違った行動を起こす人間なんて育たないんじゃないかしら?と希望的観測ながら、思ってしまう。
私もSUPで海に出て沖でぽっかり浮かんでいると、「私なんてちっぽけだな。」といつも思う。うっかり読み間違えて大波に巻き込まれそうになれば、生きてることの大切さを身をもって知ることもできる。必死になった後の爽快な気分は、いつも私をリセットさせてくれる。
うちには小さな子供はもういないけれど、このコミュニティーの子供たちを見守りつつ、挨拶を交わして行こうと思う。偉大な海と美しい山に囲まれて。
この続きは、また次回。
sea you soon.