On the road〜海の街で

海街に家を建てて移り住むまでのよもやまばなし。から始まった、海街暮らしと日々のあれこれ

天気。

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雨の季節がやってきた。

ワンコの散歩にいくタイミングを見計らうのに、雨雲と睨めっこしている。

どうしても1日2回朝と夕方には外に行きたがるワンコのために、私はいつも空を見上げている。

今は雨雲の動きをお天気アプリなどが予測してくれる。

でも、少しの誤差はあるし予報が外れることだってままある。

予報を知った上で、風向きや光の入り方、雲の動きで自分で判断するようにしている。

たまに読み間違えて、途中でワンコと雨に降られたり。

 

私が住んでいる海街は雨風も強いし、天気が一旦崩れれば軽く災害レベルに達する。

海と山があるということは、災害のリスクが身近ということ。

先日も静かな街に消防の緊急車両のサイレンが響き渡り、山側に向かっているようだった。

天気も悪かったので外に出て確認はしなかったけれど、晴れ渡った次の朝に山に向かってワンコと歩いていた。山の斜面を見上げて愕然とした。

山の一部が崩れ落ちていた。地滑りという状況なのか、土が剥き出しになりえぐられている。

そこにあった竹林は消え去っていた。あの大量の竹はどこに消えたのか。

なんとなく近くまで行く気にもなれず、しばらく少し離れたそこから眺めていた。

 

他人の言うことは聞くものだ、とその時心底思った。

私がまだこの海街で土地探しをしている時に、先にこの街で暮らし始めた友人に教えてもらっていた。

「あの山の近くはやめたほうが良いよ。あそこは地元の人は蛇崩って呼んでいる山で、昔から何度も崩れているらしいから。」

今回崩れたのは、その山だった。

一度、すぐ側の中古住宅を不動産会社に案内された事があった。

もしそこに決めて、住んでいたとしたら。

歩いて3分のところで山が崩れたら、その後嵐のたびに怯えていなくてはならない。

その時も物件を見には行ったけれど、友人の話を思い出してそのエリアの物件は避けるようにした。

付近の方々は気の毒だけれど、家は命を守ってくれる場所。

安全に暮らしていくにはリスクを予測したり、想像したりは必要な事だと思う。

先祖代々住んでいる土地なら動けない事情もあるだろうけれど、他所からきた私達には選択肢がある。

安全かどうかは自治体が出しているハザードマップなどでも確認できる。

私のように住民の方に話を伺っても良い。

 

自然は偉大で美しいものだけれど、時には私達に大きな被害をもたらす。

だからこそ、自然の怖さも知っておかなければならないし、関心を持っていないとならない。

リスクの高いところに住んでいなくても、そこを訪れることはあるだろうから。

津波、台風、地震、雷、竜巻、山崩れ、地滑り、山火事。

災害が起こる可能性はいつだって0ではない。

せめて天気くらいは把握して、いつも自分の身の回りの環境に耳をすませていたい。

何かおかしいという危機感をいざというときに持てるようにしておきたい。

 

今放送しているNHKの朝の連続ドラマ小説で、ヒロインが気象予報士を目指し出した。

毎回気象の勉強にもなるし、なかなか良いストーリー。

気象予報士は人の命を助ける仕事。

ドラマの中でも予報士の気象情報が命を救うシーンがあったのだけれど、実際に気象予報に命を助けられた人はたくさんいるのだろう。

人は大きな自然の中で、小さく生かされているだけなのだから。

 

私は今日もワンコと空を見上げる。

そして、美しく青い空が広がっていると嬉しくなる。

いつでも穏やかな天気だと良いのに。

 

この続きは、また次回。

sea you soon.