On the road〜海の街で

海街に家を建てて移り住むまでのよもやまばなし。から始まった、海街暮らしと日々のあれこれ

ご近所付き合い。

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海街の家は海から20分くらいの住宅地の中にある。

10軒の家が共用の私道をコの字型に囲むようにして建っていて、奥から3軒目の家。私道沿いに母娘二人で住むKさん宅、その裏が我が家。旗竿地だったため、2台分の駐車スペースがあるのもとても便利。家の周囲も程よく余裕があり、夏には大きな浮き輪や海グッズを洗って干すスペースに困らなかった。門を閉じればドッグランのごとく、ワンコはグルグル走り回ることができた。本当にお得な物件。

 

ただし、ここの辺りは別荘地ではなく住宅地。この家には平日は長期休みでない限りは誰もいないし、少々無用心。まずはご近所への挨拶をしっかりすることが大切だと思った。

特に手前のKさん宅にはご迷惑をおかけすることもあるかもしれないので、携帯番号や東京の家の番号などをメモでお渡ししておいた。Kさん宅にも可愛いミニピンちゃんがいて、Kさんも娘さんもうちのワンコとよく遊んでくれる優しい方達。風に飛ばされたうちの物を門の内側に置いておいてくれたり、近所で催される地元の農産物販売の情報もKさんから。

 

ある日Kさんに教わった通りしっかり分別して、ピカピカに洗った資源ゴミを出しに行くと、ゴミ集積場に3人のマダムが立っていた。酷いありさまで置き去りにされていたゴミについて「最近の人はダメね!」と怒ってらっしゃる模様。とびっきりの笑顔で「おはようございます」と挨拶をして、ゴミをそれぞれのボックスにそっと分け入れる私。マダム達の熱い視線が痛い。よしよしという感じでリーダー的なマダムが視線を私から離し、3人の話題は他に移った。ほっとして家に戻り、Kさんありがとう!と大感謝。他の近所の方ともいつもきちんと挨拶をして、世間話などをしながら素性も明かしてトラブルにならないように気を付けた。

 

東京の家は8戸しかない低層のマンションだというのに、かろうじて同じフロアの住民の方々は知っていても、階下となると誰が誰やらの環境。ゴミについても分別は細かくなく、うっかり間違ってしまっても管理会社のスタッフがきちんとして出してくれる。そもそも、収集日の朝出す必要がない。お隣は外国の方なので会えば挨拶はしても素性はお互いわからないまま、もう数年暮らしている。

マンションの周りに大使館や外資企業がたくさんあるので、住民の入れ替わりが頻繁。可愛い双子の幼児がいる中国人ファミリーが数ヶ月住んでいたと思えば、ある日その部屋に白人のティーンエンジャーの女の子を連れたお父さんが、楽しそうに英語で話しながら入っていったりする。

お互いに干渉しない自由さも心地良くはあるけれど、海街での程良いご近所付き合いを知ってしまったら物足りない気もする。自分たちがどんな人間かを知っている人が自分のそばに住んでいるという安心感を、海街は私達に教えてくれた。

 

この続きはまた次回。

sea you soon