高2病。
巷では「中2病」と言っては、思春期特有の言動や、それを言ったりやったりする人のことをからかったりする。
私の場合は「高2病」。
少し意味合いは違うけれど、40代も後半だというのに、高校2年生の時に聞いていた音楽、好きだったファッションやカルチャー、愛読書から逃れられない。
さすがにその頃大好きだった、ベレー帽に黒のピッタリしたタートルネックにタータンチェックのミニスカートにドクターマーチンのブーツなんて格好はもちろんできない。
ヒステリックグラマー、MILKやDEP'Tを巡った原宿ショッピングツアーも、懐かしい思い出でしかない。
けれども、音楽や本は今でも変わらず同じミュージシャン、作家を好きでいられる。
最近よく聞くラジオの世界では、高2の時に憧れていた大人達が今も番組を持っていて、当時の思い出話を織り交ぜながら、当時の曲を変わらず電波に乗せてくれている。
番組に登場するゲストも懐かしい面々だったりする。
この前は氣志團の翔さんが大貫さんの番組のゲストで登場し、当時のロンドンナイトなどの懐かしい話をしているのがとても楽しかった。
多分、同年代なのね。
最近の音楽も聞くけれど、やはり一人の時間に聞くのは90年代の曲になってしまう。
毎週ラジオを楽しみにしているのは、ロンドンナイトの大貫憲章さん、メジャーフォースの高木完さん、はたまた渋谷系代表の野宮真貴さんカジヒデキさんの番組などなど。
もちろんピーターバラカンさん、やはり高2くらいから大ファン。
今はオンデマンドで夜中の番組がいつでも聴けるのが便利。
音楽とカルチャーの結びつきが今よりも強かった時代。
雑誌はキューティーやオリーブを愛読し、岡崎京子や安野モヨコの漫画を読んで、太宰治や三島由紀夫、夢野久作や江戸川乱歩などの昭和文学に傾倒。
セックス・ピストルズやクラッシュなどパンクミュージックを聴きはじめ、ビースティボーイズやラモーンズも好きになった。
そういえば横尾忠則さんのファンになったのもこの頃。
個展でご本人に握手していただいたこともある、温かいほっこりした御手だったな。
アンディ・ウォーホールもこのくらいで興味を持ち、映画を見たりしだした。
この頃アートというものにすごく開眼した。
ネットがまだない時代に情報誌やフライヤーなどで情報を集めては、あちらこちらのギャラリーや美術館に一人で出かけた。
今でもアートに関しては一人で出かけるのが心地良い。
ライブも一人で行くことが多い。
当時は同じ温度で出かけてくれる友人はいなかったから。
今やすっかり一人で楽しめる、いや、一人で楽しむことを好むようになった。
若さと有り余るパワーに任せて強烈にいろんなものを読んだり、聴いたり忙しない高2時代。
頻繁にレコード屋さんに通い、ココナッツのお香を焚いてレコードで音楽を聴きながら雑誌をめくる。
時には親の目を盗んで、夜おしゃれしてこっそり出かけたりもした。
当時のクラブには今では考えられない、素敵な大人たちが気軽に遊びに来ていた。
憧れの人たちを間近で、時には気軽に話すこともできた。
かっこいい大人たちから、音楽もファッションもカルチャーも本当にたくさん影響を受けた。
同年代の学校の友達と遊ぶのとはまた違う世界。
もちろん学校も楽しかった。
勉強は得意ではなかったけれど、友達とのおしゃべりは楽しかったし、バスケットボールだって大好きだった。
でも、学校の外の課外活動も刺激的で楽しくて仕方なかった。
そんな貪欲な高2時代が強烈だったのか、今でも続く「高2病」。
今夜は大好きなビールを飲みながら、昨日の夜中の大貫さんの番組を聴こうっと。
この続きはまた次回。
sea you soon.